女性や外国人を雇えば終わりではない!ダイバーシティマネジメントのポイント3つ

最近巷でよく聞くダイバーシティマネジメント。皆さんはそれがどういうものかご存知でしょうか。なんとなく「女性や外国人・障がい者を雇えばいいんでしょ」と思われているかもしれませんが、そもそもなぜダイバーシティマネジメントが必要になったのでしょうか。

今回はダイバーシティマネジメントとは何かについて触れながら、上手く活用するポイントについてご紹介していきます。

ダイバーシティマネジメントとは?

そもそもダイバーシティとは

ダイバーシティとは、英語で多様性という意味の言葉。同じ性質のものばかりを集めるのではなく、幅広くいろんな性質を持ったものを集めることです。それを経営に取り入れたのがダイバーシティマーケティングであり、多様性とは性別や人種・価値観やプライベートな分野にまで広がっていきます。

女性や外国人を雇用したらOK?

経済産業省も後押しするダイバーシティマネジメントには、ダイバーシティ2.0行動ガイドラインというものがあり、そのガイドラインにある7つのアクションには、属性に関わらず活躍できる人事制度の見直しや、従業員の多様性を活かせるマネージャーを育成するなどの項目があります。

つまり日本人の男性だけでなく、女性や外国人でも活躍しやすい環境を用意すれば良いという事になります。しかし、事はそんなに簡単ではなく、外国人を雇うと「受け入れショック」が起きたり、古くから残る男女間の差別は消えにくいからです。故に、ただ評価のシステムを変えて雇えば良いという訳ではありません。

ダイバーシティマネジメントはなぜ必要となった?

では、ダイバーシティマネジメントを活かすには、どの様にすれば良いのか。それをお話しする前に、まずはダイバーシティマネジメントが注目を事になったきっかけからご紹介します。

今の日本国憲法では昔から禁止されていた

日本国憲法の第14条において、人種・信条・性別・社会的身分または門地による差別は禁止されています。また、男女雇用機会均等法などもあり、性別による賃金の差や雇用・昇進の機会を平等にしようという動きはありました。しかし、仕事をするのは男であり、女は出産などの理由で退職することもあり、家庭を守るのが仕事だという暗黙の了解がありました。

しかし、インターネットが普及してきた事で様々な情報が集まり易くなったことや、欧米では黒人差別を始めとした平等を求める動きが盛んになった事で、日本でも必要性が問われる様になりました。

労働力を確保する側面がある

また、労働者にとっての側面だけでなく、企業にとってもダイバーシティマネジメントの必要性が問われています。それは、少子化による労働者不足。現在14歳以下の割合が、平成元年で18.8%だったのが、平成30年には12.2%まで減少しています。

少子化による労働者不足は、企業にとって深刻な問題であり、そこで注目されたのが女性や外国人労働者・障がい者を雇うこと。今までは働きたくても働けない人も多くいたため、それを新たな労働力として活用するのです。

ダイバーシティマネジメントのポイント3つ

社会的・経営的な視点から、ダイバーシティマネジメントの必要性を述べましたが、ただ雇えば解決するものではありません。外国人の受け入れショックを始めとした、雇うことによって起きる問題があるからです。

なぜ問題が起きるのかというと、企業体制や価値観を変化させる事なく、風土に合わない人材を雇うことになるからです。つまり、ダイバーシティマネジメントを上手く活用するには、社内における価値観や常識を一新しなければいけません。

性別や出身ではなく個性を見る

ダイバーシティマネジメントにおいて、まずは性別や人種などに分けて考えるのではなく、それぞれの個性やスキルなど、一人一人に注目すること。

日本人は謙虚で大人しい傾向にありますが、外国人も同じとは限りません。特に欧米出身の人は、野心家でより多くの給料を求めることもあります。日本の企業において、野心に溢れた行動は受け入れ難いことかもしれません。しかし、プラスに考えれば結果を出す事に積極的とも言えます。

なので、性別や出身ではなく、一人一人の性格や強み弱み・スキルの違いを理解することが、ダイバーシティマネジメントの第一歩となります。

暗黙のルールを強要しない

二つ目のポイントとして、日本の良くも悪くもある暗黙のルールを、相手に強要しない事が挙げられます。

外国人にとっては、まず暗黙のルールというのは理解し難い物でしょう。特に国によっては、”物事ははっきりいうべき”という所もあります。なので、暗黙のルールだからと無理に納得させるのではなく、その必要性を理解してもらう必要があります。

特に日本には周りに合わせるべきという風潮があるため、それを押し付けるのではなく、女性や障がい者にも同様に正当性を説明する。もしくは、正当性がないのであれば改善するなど、企業と労働者の相互の理解が必要になります。

交流を大切にする

また、企業だけでなく労働者同士の価値観も、すり合わせる必要があります。そのために必要なのがコミュニケーション。会話をする機会がなければ、相手がどんなことを考える人なのか理解できないため、すれ違いが発生し問題につながります。

故に企業だけでなく、労働者同士でも価値観や考え方を共有するためのコミュニケーションが必要です。

まとめ

日本にある暗黙の了解は、同じ共通認識を持つ良い文化でありながら、同時に輪を乱さないために相手に強要する悪い文化でもあります。故に、それによって「女性は賃金が低くあるべき」だったり「思った事をはっきり言ってはいけない」などのすれ違い・問題に発展する場合が多くある様に思えます。

ダイバーシティは多様性であり、その本質は国籍や性別を見る事にあらず、千差万別の性格を取り入れる事こそが、真の多様性であると言えます。なので、一つの物の考え方を押し付けるのではなく、千差万別の性格から生まれる異なった意見を取り入れてみることが、ダイバーシティマネジメントを上手く活用する方法だと言えるでしょう。

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