最近至る所で目にする、利用する為に継続して支払いをするサブスクリプション(以降サブスク)というシステム。スマホアプリだけでなく、最近ではマイクロフトのツールも買い切りとサブスク、両方を選べる様になっています。そんな風に様々なところでサブスクが広まっていますが、これは具体的にどんなメリットがあるのでしょうか。
利用者側のメリットやデメリットなど、様々な視点から考える事ができますが、今回は企業側が持つメリットについてご紹介していきます。
サブスクリプションビジネスとは
サブスクリプション=購読という意味
サブスクとは英語のSubscriptionから来ていますが、これは定期購読や予約購読といった感じに、日本語で購読という意味を持ちます。購読と言われると、分かりやすいのは新聞紙でしょう。毎月お金を払うことで、定期的に新聞紙が送られていました。そして、いつでも払い辞める事ができて、次からは新聞紙が送られてきません。この様なスタイルのビジネスモデルを、サブスクリプションビジネスと言います。
さまざまな場面で活用されている
このサブスクリプションビジネスは現在至る所で活用されており、マイクロソフトのツールであるWordやExcel、AdobeのツールであるPhotoshopや動画編集ソフトPremier Proも、以前までは買い切りがメインでしたが、現在ではサブスクでのサービス提供を行なっています。
また、サブスクはネットビジネスでもよく見かける気もしますが、他にも定期的に日本酒を送ってくれるサービスなど、生活必需品や消耗品に関するサブスクも存在します。
サブスクリプションビジネスのメリット
このように様々な所で利用されているサブスクですが、そもそもなぜこんなに広がっているのでしょうか。買い切りではなくサブスクにすることで、企業にとってはどの様なメリットがあるのでしょうか。
一回あたりの料金が小さくなる
まず一つ目は、サービスを受けるにあたって消費者が支払う一回あたりの金額がやすくなる点にあります。これは消費者にとってのメリットに感じられますが、企業にとっても同様に大きなメリットであると言えます。
例えば、動画編集用のツールが欲しいと考えた時、買い切りで購入を考えると1万を超えることは当たり前になってきます。1万円を超える買い物は、一般的に見てもあまり安いとは言えないでしょう。故に、消費者は何度も買わなくて済むように、一回で良い商品を見つけようと品定めに時間をかけます。そうなると、当然貴社の製品が選ばれない可能性も高くなることになります。
しかし、このサブスクなら一回あたりの金額が小さく、ほとんどの場合ですぐに辞めれる事から、貴社の商品・サービスを非常に試しやすいです。
貴社の商品を購入する時、その金額の高さと消費者の失敗したくないという気持ちが、一番購入を遠ざける要因になります。しかし、サブスク制にする事で貴社の商品を試してもらえれば、あとは性能が良ければ使い続けてもらいやすくなります。
つまり、一回あたりの支払額が小さくなる事で、試してもらいやすくなるのです。
毎月の収支計算が行いやすい
サブスクは基本的に毎月支払いが行われるため、来月かかるコストと利益の計算がしやすい事も、貴社にとっては大きなメリットです。
例えば、物販をメインに事業を行うとき、商品を仕入れたり製造したコストは、売れた数によってそのコストが回収できるかどうかが決まってきます。ある程度なら販売数は統計やデータによって推測が可能ですが、それでも予想外の要素によって販売数は毎月変動します。故に、来月発生する収支の計算が行いにくいです。しかし、サブスクなら会員数*単価で毎月入ってくる額が予想しやすく、収支の計算が行いやすいです。
企業は常に、予想外の損失が起きても耐えられる様に備える必要があり、そのせいで本来なら投資して得られる利益が入ってきません。しかし、サブスクによって安定して収支計算が行えれば、次の事業への投資が行いやすくなります。
利用時のデータが蓄積されていく
現代のビジネスにおいてビッグデータは欠かせない存在ですが、サブスクにする事で消費者の利用データを取得し続ける事ができます。
買い切りの商品だと、ネットサービスに紐付けない限りデータを取得する事が難しく、次の商品開発へも活かしにくいです。しかし、サブスクにしてデータを取得する事ができれば、商品のどの機能がよく使用されているのか、事細かな情報が蓄積されていきます。故に、よりユーザビリティの高い製品への開発に活かす事ができます。
加えて、何か問題が起きた時に消費者の使用データを閲覧できるため、トラブルシューティングしやすい事もポイントになってきます。
まとめ
もちろん、サブスクにはデメリットがない訳ではありません。一回の支払いで利用されなくなれば、買い切りよりも売り上げが上がりませんし、ユーザーにとっては使い続けると買い切りよりも高い金額を払うことにもなります。しかし、それを含めても一回あたりの金額が小さいサブスクは、非常に優れたビジネスモデルであると言えます。