【製品開発】マーケットイン・プロダクトアウトの違いを3つのポイントから解説

製品開発の現場でよく耳にする言葉「マーケットイン」と「プロダクトアウト」ですが、この二つにはどのような違いがあるのでしょうか。対比されがちなこの二つですが、どのような強みや弱みがあるのでしょうか。今回は、この二つの手法についてご紹介していきます。

マーケティング手法

マーケットインとプロダクトアウトは、製品を開発し製造・販売までの戦略の立て方における手法なのですが、まずはその内容からご紹介していきます。

マーケットインとは?

マーケットインとは、市場(マーケット)を調査し、その市場に参入できる(イン)商品を開発して販売する、市場を中心において考えるマーケティング手法です。

日々生活する中で、商品に対して不満を覚えることは非常に多いでしょう。例えば、マーケティング担当者が市場を調査する中で、「ヘッドホン欲しいけど、重くて使いにくい」という女性層を見つけたとします。これがニーズであり、同じように感じる女性が多ければ、軽くて圧迫感の少ないヘッドホンを開発し、ヘッドホンを使いたい女性に向けて販売戦略を立てるでしょう。

市場を調査する中で、ユーザーが不満を抱えている部分を見つけたら、それが狙い目。その不満を解決しニーズを満たすための商品を開発するのが、このマーケットインという手法になります。

プロダクトアウトとは?

プロダクトアウトとは、まず最初に社内で新しい製品のアイディアを出し合い、ある程度形にしてから参入できる市場を決めたり、ターゲットを決めるマーケティング手法です。

自社が持つ特許や強みを活かし、何か新しい製品を作れないか。例えば、濡れないように使うのが前提である紙に対して、むしろ紙を濡らして使う製品ができないか、汚れない本を作る事ができないか。そういって、自分が持つアイディアや発想を広げることで、市場に新たな価値を生み出します。

このプロダクトアウトの基本概念としては、「良いものを作れば売れる」という考えがあり、プログラマーやメーカーなどの作り手に多い思想であると言えます。

それぞれの違うポイント3つ

市場調査から製品を開発して販売するのがマーケットイン、製品を開発してから参入する市場を決めて販売するのがプロダクトアウト。それぞれ異なる手順によって販売戦略が立てられるマーケティング手法ですが、では具体的にどのような違いがあるのでしょうか。

1.アイディアの出所が違う

既になんとなく理解されているかと思いますが、製品を開発するときのアイディアの出所が違います。マーケットインから製品を開発する場合は、ニーズから製品のアイディアを広げることになります。なので、まずはニーズがそこにある事を理解し、何故そのようなニーズが生まれるのか、どのような人にニーズが生まれているのか、そしてどのような商品ならニーズを解決できるのか。それを考えることから始め、ニーズを中心にマインドマップは広がっていくことになります。

対して、プロダクトアウトは自分達が持つ技術なら、どんな製品が作れるかが考える中心にあります。ダイソンは掃除機のメーカーですが、吸引力の高い掃除機を生み出せる技術を他に活用できる場はないのか。そういった考えの元で、同じく風を利用した製品としてドライヤー・扇風機を思いついたのだとしたら、それもプロダクトアウトと言えるでしょう。

2.確実にニーズを掴むマーケットイン

現代はネットが普及したことで情報を集めやすく、消費者の声も集めやすいので、ニーズが中心であるマーケットインが非常に活躍しやすい場であると言えます。そして、数打つうち当たることを目指した戦略ではなく、ニーズをキャッチする事でハズレのない確実に売れる製品を生み出すことには特化していると言えます。しかし、その代わりに大きく当てる事は難しいと言えます。

3.画期的な製品を生み出すプロダクトアウト

プロダクトアウトは、その手順故に売れないものが生まれる事も非常に多く、トライアンドエラーが重要になります。無駄の多い手法であるとも言えますが、同時に無駄になった製品を組み合わせたりする事で、既存の製品にはない新しいアイディアが生まれやすいです。エジソンの発明品はたくさんの失敗作から生まれましたが、それと似たようなものと言えるかもしれません。故に、大きなヒット作品を生み出しやすいとも表現する事ができます。

まとめ

今回ご紹介した、マーケットインとプロダクトアウトは、厳密なところで言えば両方必要なマーケティング手法であると言えます。ユーザーのニーズを完全に無視して、メーカーの理想だけを体現した商品を開発しても、もちろん売れません。また、ユーザーのニーズばかり目を向けていても、新しい市場を生み出せず先行者利益が得られません。なので、双方良いところを考えながら、取り入れてみる事が大事であると言えます。

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