【CRM】顧客と企業の付き合い方を考えるマネジメント

CRMという言葉をご存知でしょうか。これは、Customer Relationship Managementの頭文字からきており、日本語にすると顧客関係管理と言います。顧客との関係性を考え、そのつながりを大事にする事を指すのですが、具体的にはどのような事なのでしょうか。今回は、CRMがどういったものなのかを述べながら、現代における顧客との関係性の大切さをご紹介していきます。

CRMとは

まずはCRM(顧客関係管理)についてご紹介していきます。一般的にCRMは二つの意味で捉えられる事が多く、広義的には顧客との関係性を考えた取り組み、そして狭義的には顧客情報を管理・活用するツールと言う意味で使われます。

顧客との関係を大切にするマーケティング

広義におけるCRMとは、顧客の関係性を良好に保ち、相互の利益を生み出すように努める取り組みを指します。

例えば、一度訪れたことのあるレストランへ再び訪問した時、店員が「前回はチリ産のワインを飲まれていたので、今回はオランダ産のワインはいかがですか?」と提案したとします。お客さんにとっては、店員さんに顔を覚えてもらって自分に合わせた提案をしてもらえるのは、VIP扱いされているようで非常に好感を覚えるものです。

この様に全ての顧客をいっぺんに同じように扱うのではなく、顧客一人ひとりに合わせた対応をとることで、顧客には企業のことを好きになってもらい、最終的にはファンとなってくれる事を目指します。

狭義的にはツールの事を指す

広義的には、顧客との関係性を良好に保つ事をCRMと表現しますが、マーケティングの中には似た様な概念もあります。なので、狭義的にCRMは、顧客情報を管理し活用するためのツールやシステムのことを指します。

例えば、性別や年齢等の顧客の情報に合わせて適したメールを配信するシステムや、購入履歴などの管理を行い問題が起きた時の対処に活用する事、顧客情報をもとにした分析などを行う事ができます。

CRMがなぜ重要なのか

顧客との関係性や、顧客の情報を管理・活用することをCRMと言いますが、なぜこれが今重要なのでしょうか。その理由は、主に3つの点から挙げる事ができます。

現代は新規の顧客を捕まえるのが難しい

まず一つ目は、昔に比べて情報量が増えている事とニーズが多様化している事から、新たに顧客を捕まえる事が難しくなっているからです。

昔は、顧客は商品を販売するセールスマンが主な情報源であり、その人を信頼して商品を購入する事が多くありました。しかし、現代では様々な手段で情報を手に入れる事ができ、顧客は自分で情報を仕入れて判断する事ができる様になりました。すると、顧客は新規の商品や企業よりも、自分がよく知っている企業のことをより強く信頼します。故に、昔に比べて新規の顧客を捕まえるのが難しいのです。また、少子化によって人口が減少している点も、新規の顧客が捕まえにくい要因の一つであると言えます。

新規の顧客が捕まえにくいのであれば、既知の顧客を逃さないように関係を良好に築き、リピーターとしてもらう事が重要になるため、CRMが必要になります。

価格競争を避けられる

CRMは顧客との良好な関係を築き、リピーターやファンを生み出す事が目的となりますが、そうなると価格ではなくその企業を信頼しているかどうかで購入する商品を検討する様になるため、価格競争を避けやすくなる点も大きな特徴です。

価格弾力性にもよりますが、市場の平均価格から大きく外れなければ、リピーターやファンは貴社が販売している商品を選んでくれます。故に、むやみに他社と価格競争を行い、利益率の低い販売戦略を立てる必要がなくなります。

業務の効率化を狙える

現代ではDXの推進が話題なっていますが、このCRMもDXに貢献し業務の効率化を図る事ができます。少子化によって人手が不足していながらも、情報量は増えているため、現状のシステムのままでは情報を処理する事ができず、現場がパンクしてしまいます。故に、CRMツールやシステムを活用する事で、人の手による作業を減らし効率化を図ることは、ミスを減らすことにもつながるため、顧客に対する優れたサービスを提供しやすくなります。

また、顧客の情報に合わせたメール配信などを行う事ができれば、顧客は自身が欲しい情報を手に入れる事ができ、同時に貴社も無駄なく効果的にマーケティングを行う事ができます。

まとめ

現代の市場は単純ではなく、「良いものを作れば売れる」「安くすれば売れる」と言う訳ではありません。特に企業は虚偽や誇張した情報を発信すると理解しているため、以前よりも用心深くなっています。故に、自分の知らない企業よりも知っている企業を信頼します。なので、現代の販売戦略では一度捕まえた顧客を逃さない事が重要であり、そのためにCRMはあると言えます。

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