今就活に重要な【フェルミ推定】分からないものを”推測する”ポイント3つ

近年の就活時によく登場する、フェルミ推定という言葉。これは、「アメリカのシカゴには何人のピアノ調律士がいるか」などという、到底知りようもない数字を、知っている数字から論理的に推測する事を意味します。

フェルミ推定は、能力として持っておくと問題解決に非常に役立つスキルなのですが、慣れないうちはなかなか難しいのも事実。ということで今回は、フェルミ推定を行う3つのポイントについてご紹介していきます。

フェルミ推定とは?

その人の推測する力を見るために、答えが存在しない(もしくは殆どの人が知らない)問題を出題し、どのようなプロセスで答えを推測するかを見るのが、フェルミ推定です。そして、フェルミ推定が重視されている理由は、ひとえに情報に欠けている状態でも、求める数字に近づく思考力がビジネスで重要だからです。

通常、ビジネスで戦略を立てるシーンで、欲しい情報がすべて集まる事はありません。だからと言って、既に資金を投入している事業をストップする事はできず、今持っている情報だけで進めるしかありません。故に、「この情報とこの情報があれば、欲しいデータを推測することができる」という考え方が、必要になってくるのです。

例題:レンタルDVDの市場規模を答えよ

では早速、フェルミ推定の例題を踏まえながら、そのポイントについて考えていきましょう。今回の例題は「レンタルDVDの市場規模を答えよ」というもので、これも調べたらわかるかもしれませんが、通常は知り得ない事ですので、推測するための道筋を立てていきましょう。

ちなみに、ここから先かっこ()の中に入れた数字は、全て仮定の数字で進めています。

ポイント1 素因数分解をイメージする

例題に対する答えを見つける為にイメージするのは、素因数分解です。
素因数分解とは、120という数字があった時に、「20*6に分解して、20は5*4に分解でき、そして6は2*3に分けられる」という様に、大きな数字を分解していき、出来るだけ小さな数字(正確には素数)で表せるようにする計算の事です。そして、フェルミ推定を行う際には、この素因数分解を行うイメージが非常にポイントになります。

例えば、レンタルDVDの市場規模が(1000億円)であると、仮定しましょう。
この1000億円は、どの様な数字に分けられるでしょうか。簡単に、年間の利用者数(1000万人)*年間平均単価(1万円)と、大きく分ける事ができます。もしくは、全国のレンタルビデオ店の店舗数(1万店舗)*店舗の平均年間売り上げ(1000万)でも表現できるかもしれません。重要なのは、大まかに数字が分けられる所です。いきなり細部から入ると、全体像が見えなくなって、余計頭が混乱してしまいます。なので、まずは大きく文類する事を考えましょう。

計算を進めていく間に、「なんだか計算しにくいな」と思ったら、このステップに戻ってきていろんなアプローチを考えてみてください。

ポイント2 大きい数字をさらに分解してみる

先ほどのポイントでは、市場規模(1000億円)という大きな数字を、
年間利用者数(1000万人)*年間平均単価(1万円)
という式で計算してみました。しかし、数字としてはまだまだ大きく、ビジネスに活用できるレベルではありません。なので、今登場した年間利用者数と年間平均単価を、さらに分解していきます。

年間利用者数(12ヶ月*月間利用者数)*年間平均単価(12ヶ月*月平均単価)
=(12ヶ月*約80万人)*(12ヶ月*800円)

数字が小さくなることで、イメージは付きやすくなってきます。しかし、まだ数字が大きい様にも思える為、さらに分解していきましょう。

年間利用者数(12ヶ月*月間利用者数)*年間平均単価(12ヶ月*月平均単価)

→年間利用者数(12ヶ月*(全国の平均店舗数*店舗ごとの月間利用者数))

  *年間平均単価(12ヶ月*(月間の来店回数*一回あたりの単価))

=(12ヶ月*(4000店舗*200人)*(12ヶ月(月4回*DVD2枚200円))

数字を小さくしていくことで、その数字の妥当性が見えてきます。例えば、月4回という来店回数は、レンタル期間が1週間だと考えた時に、返してそのまま次の話を借りていくと考えると、妥当性がある様に感じられます(あとは平均に直すだけ)。さらに、必要な数字も明瞭になるため、ビジネスでも活用しやすくなります。全国のレンタルビデオの店舗数などは、正しく明瞭な数字で、調べたらすぐにわかるため活かしやすいです。

ポイント3 正しい式を作るイメージ

素因数分解を繰り返していく事で、大きな数字をだんだんと小さくしていき、必要な情報を細分化していくことが、フェルミ推定のポイントになります。

しかし、このフェルミ推定を考える時に、正確な数字を使う事を考えすぎて、特に理系学部出身の学生は戸惑ってしまうそうです。しかし、このフェルミ推定を考える時には、正確な数字にこだわる必要は全くありません。重要なのは、正確な式を作ることで、そこに当てはめる数字は”X”として、自由に変更できる変数にしておけばいいのです。正確な数字を答えることよりも、答えを導くために適切なプロセスを踏めるかが、就活生の審査基準になります。故に、後から変数に数字を代入すれば正確な答えが出せるように、正しい式を作る事を考えましょう。

まとめ

フェルミ推定は、簡単に答えようとすれば、「サービスの利用者数*平均単価」や「店舗数*平均年間売り上げ」で答えられます。しかし、それだけではビジネスに活かせるレベルとは言えません。なので重要なのは、どこまで細かい数字に素因数分解ができるかという点です。

このフェルミ推定は回数をこなすほど、思考がスムーズに追いついてくる様になるため、何度も練習して考え方に慣れていきましょう。

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