クリティカルシンキングを可能にする3つの思考法

日本語に直訳すると、批判的思考と表現されるクリティカルシンキングを、聞いたことのある方は多いと思います。しかし、大半の方は「どうしたらクリティカルシンキングが出来るようになるか」が、分からないのではないでしょうか。今回は、そもそもクリティカルシンキングとは何かを説明した上で、クリティカルシンキングの為の思考法をご紹介していきます。

クリティカルシンキングとは?

批判的思考と表現すると、多くの人は悪印象を受けるかもしれません。しかし、この場合における批判的思考とは、意見を一度も否定する事なく、全ての情報を無条件に取り入れるのを避けるための思考、という意味です。思いついた答えを無条件に肯定せず、感情的な推論を避け、楽な解答で妥協しない為の、物事を多角的にみるための思考が、クリティカルシンキングです。

ゼロベース思考

まず一つ目は、ゼロベース思考法です。
簡単に言うと、一度全てを白紙に戻し、新たな方向性で考え直すことです。人は皆、思い込みや固定概念など、多数のバイアスを抱えながら生活をしています。しかし、そのバイアスが自由な発想を阻害し、結果的にクリティカルシンキングの邪魔になるのです。

例えば、マーケティングを考える人の多くは、他社の製品との差別化を考えて、ターゲットを絞る事をまず考えます。差別化=ターゲットを絞る、という思い込みを持っているからです。しかし、時と場合によってはターゲットを絞ると十分な見込み客が集まらず、結果的に十分な売り上げに繋がらない事にもなります(売り上げ低迷時のUSJが、まさにその状態でした)。

自由な発想に、思い込みや固定概念などのバイアスは邪魔になります。なので、頭の中で並べられた情報を全てリセットし、白紙の状態から考え始める事が大切です。

水平思考・垂直思考

ラテラルシンキングというと、聞いた事のある方もいるのではないでしょうか。ラテラルシンキングとは水平思考のことで、物事を多角的にみて、問題を解決する様々なアイディアを広げる思考法の事です。

例えば、「サイトにアクセスを集める」という目標を考えた時に、ただSEOを強化するだけでなく、SNSと連結したり、リスティング広告を出すなどの方法があり、答えは一つだけではありません。この様にアプローチの方法をいろんな視点から考える事が、ポイントになります。

そして垂直思考は、考えた様々なアプローチの中から、目標に近づく為の具体的な方法を考えていく事になります。(垂直なので、積み木を重ねて目標に届かせる事をイメージすると、分かりやすいでしょうか)多くの方にとって、おそらく垂直思考の方が馴染みがあり、水平思考の方が難しいかもしれません。どちらの方が正しいという訳ではありませんが、クリティカルシンキングの為には水平思考が重要になります。

Why so?思考

私が個人的にお勧めしたいのが、こちらの思考法。トヨタでも同じ様な思考法が取り入れられており、その名も「なぜなぜ分析」。どちらも同じような考え方からきており、様々な事情に対して「なぜ?」と問いかけることで、固定概念を取り除いた思考法を可能にします。

クリティカルシンキングの重要な要素として、自由な発想で固定概念にとらわれない事を挙げましたが、じゃあ具体的にどうやったら固定概念を無くせるのかが難しいところ。そこで、このWhy So?思考を使い、「なぜ〜なのか」「なぜ〜をするべきなのか」と、問いかけます。例えば、「サイトのアクセスを集めるために、なぜSEO対策をする必要があるのか」と問いかけます。その方法にこだわる必要があるのか、他に方法はないのか。当たり前だと思っていることが、なぜ当たり前なのか。そう考える事で、固定概念や思い込みを一つずつ減らして、クリティカルシンキングに近づく事ができます。

まとめ

クリティカルシンキングを定義の面から理解しようとすると、「ロジカルシンキングとの違いは?」などと、中々分かりにくくなってしまいがち。ただ、個人的な意見から言わせてもらえれば、意見を否定する事で始めるラテラルシンキング、と言った様な感じがします。

今回ご紹介した、「ゼロベース思考」「水平思考・垂直思考」「Why so?思考」は、一連の流れとしてそれぞれ関係性のある思考法です。なので、ぜひ”ゼロベース思考”から初め、リセットした状態にする為に”Why so?思考”を取り入れ、頭の中がリセットされたら”水平思考”で多角的に物事を考えてみましょう。

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