【日常生活からビジネスまで】交渉が有利に働くテクニック3選

相手から期待通りの答えが欲しいと思うときは、少なからず多いのではないでしょうか。取引相手との交渉はもちろん、意中の相手をデートに誘う時など。そこで今回は、人間心理に着目した、交渉に使えるテクニックをご紹介します。どれも質問の仕方ひとつ変えるだけで実践できるテクニックなので、ぜひ活用してみてください。

フットインザドア・ドアインザフェイス

交渉術として、比較的メジャーなのがこの二つでしょう。
フット・イン・ザ・ドア・テクニックとは、まずは小さな要求を相手にのませ、徐々に要求の大きさを上げていくテクニックの事です。なぜこのテクニックが効果的かというと、人は一度イエスというと、後からノーとは断りにくい心理がある為です。

そして、このフット・イン・ザ・ドア・テクニックを活用したのが、今よくみるサブスク制度の「〇〇日まで無料で」というシステム。これは、一度体験することでサービスを理解してもらう意味もあれば、初めから有料だとハードルが高いため、最初は無料で初めて後から有料にという、小さな要求から消費者に飲ませる為でもあります。

そして、上記のテクニックと対照的なのが、ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック。こちらは最初に相手が断りそうな大きな要求をしてから、譲歩してそれよりも小さな要求(本命の要求)を通すことで、相手に飲ませるテクニックです。自分が一度断った後に相手から譲られると、それを借りと考え、相手にお返しをしなければという心理があります。それを返報性の心理と言い、相手の好意には好意で返さなくてはと思うのも、同じ心理からきています。

このドア・イン・ザ・フェイス・テクニックを活用している例として、引越し業者などが挙げられます。引っ越しは、家族であれ一人暮らしであれ、お財布に痛い出費です。故に、多くの依頼主はできるだけ安く済ませたいと考えます。そこで、引っ越し業者の多くは通常よりも多めに数字を算出し、「もう少し安く済ませたい」と一度断られてから、値引きして本命の値段を提示します。すると、依頼主の頭には最初に提示された金額が浮かぶため、「これならまだいいか」と、本命の値段に頷きやすくなるのです。

シャルパンティエ効果

「1kgの鉄アレイと1kgのお米、どちらの方が重い?」
という質問をした時、鉄アレイは重いという先入観から、咄嗟に”1kgの鉄アレイ”と答えてしまいそうになるのが、このシャルパンティエ効果です。
このシャルパンティエ効果は、現実社会のさまざまなシーンで活用されています。例えば、サブスク制度。月額500円と言われると、昼飯一食分で安そうに思えますが、一年間契約していれば6000円と、いうほど安い買い物ではありません。更に言えば、フォトショップのようなツールを利用するために、なんとなく安い気がしてサブスクに加入し、解約したらツールが手元に残らないなど、実は買った方が良かったのではと思うシーンはよくあります。

他にも、”レモン10個分のビタミンCがこれ一本に”なども、レモンにはたくさんビタミンが入ってそうなイメージを活用した謳い文句であり、シャルパンティエ効果を活用した例になります。

ダブルバインド

人は二つの選択肢を提示された時に、自然とどちらかを選ばないと行けないような気がする人間心理をついたのが、このダブルバインドになります。
例えば飛行機に乗ると、「ビーフorチキン?」とよく聞かれますが、なんとなくどちらかを選ばないといけなくて、”いらない”と断る選択肢が浮かばないのではないでしょうか。これは本来なら「お食事はいかがですか?」と聞くところを、「ビーフorチキン?」と意識を逸らすことで、本命の要望を通しやすくなるのです。(これを恋愛で例えるなら、意中の相手に「今度の日曜日、食事でもどうですか?」と聞くのではなく、「和食と洋食、どちらのレストランに行きたいですか?」と聞くことで、本命の要望が通しやすくなります)

ちなみに、このダブルバインドにはもう一つ意味があります。それが、方向性の違う命令をされた為に、言われた人がどうすれば良いのか分からなくなってしまい、身動きが取れなくなる事。上司からの命令を例にすると分かりやすいでしょう。「分からない事があればなんでも聞けよ」「そんなことぐらい自分で考えろ」と言う、矛盾した命令をされた時が、ダブルバインドの典型的な例になります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?どれも聞き方ひとつ変えるだけで使える、使いやすいテクニックだったと思います。交渉の難易度によっては、これらのテクニックが通用しない場面もあるかもしれませんが、頭の片隅に置いておくだけで、日常生活からビジネスシーンまで広く活用できます。なので、もし「相手から思い通りの返事が貰えないな・・・」と思う事があれば、積極的に活用してみましょう。

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